崩すのが難しかった筆文字
笑顔流筆文字教室では、あらゆる日本語の文字を温かく味のあるように崩して表現しています。崩し方のルールもあります。それでも、正直、一筋縄ではいきませんでした。
中でも、一番、思い出深いのは「美」という文字です。
正直、一応、ルール通りに崩しながらも、自分でも自信がいまいち持てなかった文字が「美」です。
それが、ある日、何気ない一言で指摘をいただいて、目の前が真っ暗になりました。
笑顔流の筆文字はどれも可愛いけれど「美」だけが可愛くない。「美」なのに「美」じゃない。
この言葉には、ガックリ来て、数日、寝込むくらいに落ち込みました。けれども、教室がありますので、気を取り直して頑張ったのですが、いつも「美」がひっかかっていました。
現実に向き合うことが進化の原動力になる。
その後、結局、おかげさまで、まあまあ納得がいくように崩せるようになりました。
そして、少し辛いですが、現実を見て、至らなさを知ることが進化のきっかけになりました。これまで、限りないバージョンアップを続けていますが、まだまだ、筆文字の世界の底は深いと感じています。