筆文字~笑顔流~うちわを渡した時の彼女、本当に輝いて見えた(2016-05-10)
ちょうど2年前の今ごろのお話。知人がスタッフさんのご病気で心を痛めておられました。
「懸命の治療にもかかわらず、状態が良くなくて…」
その心中を想い、目の前で苦しんでおられるのに何も出来ない力のない自分を悔しくなりました。
けれども、ふと、プレゼント用のうちわを持っていることを思い出しました。
「何の役にも立たないかも知れないけれど、お名前入りのうちわ贈って頂けないでしょうか」
そこは疾走する新幹線の中でしたが、ゴトゴトテーブルはゆれながらも何とかお書きさせて頂きました。
「ささやかなものですが…」
知人は、笑顔がいくつも入ったお名前をみて、人目もはばからずハラハラと涙を流されました。
「まさに、彼女そのものだよ」
それから1年後の再会。容態は一進一退とのことでした。僕の方からも、今後は、話題にしないでおこうと思って、昨日、さらに1年後の再会。
その後、ガンが全部消えて、仕事復帰。さらには、最近、永年の夢だった独立を果たしたとのことでした。
「うちわを渡した時の彼女、本当に輝いて見えた2年前の事が忘れられないよ」
1度は生死をさまよい、見事に復活して夢を叶えたご本人さんには、計り知れない感動と勇気を頂きました。
そよ風ぐらいで、何の役にも立たないうちわでも、書かせて頂いているとこんなこともあるんですね。